個人事業主から法人成りした場合
弊社では、先月はさいたま市のお客さま、今月は川口市のお客様の設立手続きをサポートしています。個人事業主の会社設立を分かりやすく事例で説明いたします。
今年の4月2日に、決算日を3月31日とした会社設立の登記申請をして、めでたく受理されたとします。
会社設立の日は、設立登記の申請日ですから、今年の4月2日になります。
会社設立の日には、実際に会社が出来上がっているわけではなく、約1週間後の設立登記の完了した日以降でないと、法人名義で銀行口座を開くことが出来ませんが、会社設立後は会社の事業を行うことができます。
今回は4月2日を前提として、個人と法人の税務申告について説明します。
<会社設立(法人成り)した年の税務申告 >
まずは、会社設立(法人成り)した年の個人の税務申告から説明します。
(1)個人の申告
今年の4月2日をもって個人事業を廃止するわけですから、その日までは、個人事業が継続されています。
つまり、今年の1月1日から4月1日までの期間について、事業所得の申告が必要になります。(消費税も同様です。)
特に申告書の様式が変わることはありません。
事業所得の計算期間が短くなるだけです。また、事業の廃止後、事業所得が無くなります。
そして、会社から受け取る役員報酬が、給与所得として申告書に加わります。
注意が必要なのは、次の2点です。
①青色申告特別控除は期間按分しません。
年の途中で会社設立した場合でも、個人の事業期間が3ヶ月であっても、65万円 全額控除できます。
②会社設立の費用は、経費には出来ません。
会社設立の費用は、あくまでも法人が負担すべきものですので、個人の経費にするのではなく、法人の経費として計上します。
個人事業の廃業届も忘れずに提出しておいてください。
(2)法人(会社)の申告
最初の事業年度は会社設立日からスタートし、決算日が3月31日としています。
今回の場合ですと
・会社設立の日:4月2日(設立登記の申請日)
・事業の開始日:4月2日(法人としての実際の事業開始日)
会社の登記簿上、4月2日付けをもって、新しい会社が生まれたことになります。したがって、その日から法人としての事業年度が開始されます。いつから事業を開始したのか?は、関係ありません。
つまり、登記簿謄本に記載されている「会社設立の日」が、自動的に最初の事業年度の開始日になります。
事業年度の開始日(=会社設立の日)から、実際に事業を開始した日までの間は、会社として事業はスタートしていないけれど、開業の準備をしている期間ということになります。
会社設立の費用はもちろん、開業準備のための支出は、すべて会社の負担となります。
個人が立替えた開業準備費用は、後日、会社に精算してもらうことになります。
2016/04/09 | 会社設立