欠勤時の賃金について

完全月給制(勤務の状況にかかわらず、毎月一定の賃金を支払う場合)を除き、欠勤した場合、その分については労働力を提供していないわけですから、賃金を支払わないとすることも違法ではないと考えられます(ノーワーク・ノーペイの原則)。

この場合、出勤日に応じて日割りで計算することになりますが、その「分母」となる出勤日数については、

  1. 年間平均の月所定労働日数
  2. 当該月の所定労働日数
  3. 当該月の暦日数

などの考え方があります。欠勤控除については、法律上の規定がないため、就業規則に定めがあればこれに従うことになりますが、欠勤1日あたりの控除単価を一定にするために、年間平均月所定日数をもとに控除する方法が合理的であると考えられます。
もっとも、この方式による場合でも、対象月の所定労働日数と年間平均の月所定労働日数が異なる場合には、すべての日に欠勤しているにもかかわらず、給与が支払われたり、一部の日に出勤しているにもかかわらず給与が支払われないという問題があります。
そこで、基本的に減額方式(欠勤時は控除式で欠勤した日の賃金を控除していく)を採りつつ、一定の基準日を超えた欠勤については、加算方式(実際に勤務した日数分の給与を支払う)に切り替えるという二段階方式を採用するという方法もあります。

次に、「分子」となる賃金部分ですが、この場合の賃金は、労働提供の対価として支払われる賃金部分ということになります。基本給に諸手当が付く日本の賃金体系において、どこまでが労働提供の対価といえるかは難しい問題ですが、ストによる賃金カットの事例で、勤務手当、交通費補助、家族手当・住宅手当といった労働者に対する「生活補助費」としての性格を持つ賃金については、労働提供の対価にはあたらないとした判例があります。
もっとも、就業規則や労働協約、労働慣行等によって、カットできるとされていた場合には、カットしても違法でないとされています。

欠勤時の賃金を調べていて、こちらのサイトを参考にしました。

2016/04/26 | 社会保険関連

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