被相続人の経営していた株式の評価について

中小企業の株式のように、上場されていない会社の株式は「非上場株式」と呼ばれ、相続税の計算上、複雑な評価が必要になります。
非上場株式の評価は細かく規定されていますが、基本的には株主の地位と会社の規模の2つのポイントがあります。

○株主の地位による評価の違い
株主が社長や社長の親族の場合、一般に持ち株数も多く、当然会社に対する支配権も大きいわけですから、その他の株式に比べて評価は高くなります(原則的評価方法といいます)。
一方、その他の株主は会社に対する支配権がないため、もっぱら配当金を受け取ることの期待のみとなりますので株式の評価は低めになります(配当還元方式といいます)。

○会社の規模による評価の違い
会社に対して支配権を持つ株主の株式を原則的評価方式で評価する場合に、会社によっては非上場でも上場会社に近いものから個人商店に近いものまで様々なものがあります。
そこで、上場会社に近いものについては会社の配当金額、利益金額、純資産価額を同業種上場会社の平均と比較して上場会社に準じて評価します(類似業種比準方式といいます)。
一方、個人商店に近いものについては会社の純資産(資産-負債)価額を基に評価します(純資産価額方式といいます)。なお、上場会社と個人商店の中間にあるような会社は、類似業種比準方式と純資産価額方式を併用して評価します(併用方式といいます)。
小会社は原則として純資産価額方式で評価しますが、類似業種比準方式と50%ずつ併用しても評価できます。

非上場株式の評価額は、皆さんが想像される以上に、多額になってしまうケースがほとんどです。評価が多額になり、相続税が払えないということになっては手遅れです。また、非上場株式は市場で売却もできません。
相続で困らないためには、生前のうちに株価を評価し、事業承継対策をうっておく必要があります。これは早めにすればするほど効果があります。
また、経営者としても、自社株の評価額は当然把握しておく必要があります。

2016/05/14 | 相続税

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