相続開始の年に被相続人から贈与を受けた宅地に係る小規模宅地等の特例の適用の可否

平成○年中に甲は父から貸家建付地の敷地(276平方メートル)の持分2分の1の贈与を受けましたが、同年中に父が死亡しました。
この場合、その贈与により取得した土地の価額は贈与税の課税価格に算入されずに、相続税の課税価格に加算されることになります(相法19)が、この土地について小規模宅地等の特例を適用する場合には、甲が贈与を受けた持分に対応する面積を含めて200平方メートルまで適用することができると考えて差し支えありませんか。

(注) 甲は父から遺産を相続しています。

<回答>

 小規模宅地等の特例が適用される財産は、個人が相続又は遺贈により取得した財産に限られています(措法69の41)。
したがって、甲が贈与を受けた土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産の価額が相続税法第19条の規定により相続税の課税価格に加算されたとしても、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。
また、甲が贈与を受けた土地の持分について相続時精算課税を適用する場合も、その土地の持分は相続又は遺贈により取得したものではありませんから、その贈与を受けた財産については小規模宅地等の特例の適用はありません。

相続時精算時課税を利用すると、家賃収入等の収入が贈与者に帰属するので、先に移転するメリットはあるのですが、いざ相続開始となると小規模宅地等の特例を利用できないデメリットもあることも考える必要がありますね。

 

 

2016/06/01 | 相続税

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